冬の星座を仰ぎながら

一日の仕事を終えて帰宅した時、夜空を仰ぐと星座オリオンが視界に入ってきます。オリオン座は覚えやすい星の配置から、冬の星座のなかでも特に親しまれているものといえるでしょう。その星座を見るたびに想い起す聖書の言葉があります。

あなたの天を、あなたの指の業をわたしは仰ぎます。月も、星も、あなたが配置なさったもの。そのあなたが御心に留めてくださるとは人間は何ものなのでしょう。人の子は何ものなのでしょう。あなたが顧みてくださるとは。詩篇第8篇4、5節(新共同訳)

 古代オリエントに生きた人の月や星、宇宙の広がりといった天体についての理解や知識は、今日からすれば幼いものであったと思われます。しかし、この詩篇の詩人は、月や星の存在が神と無関係ではないこと、神のご支配は月や星にまで及んでいることを悟っていました。夜空に輝くすべての星々、月すらも支配しておられる神が、小さな存在にすぎない、ひとりの人間である自分を心に留めてくださっている! その驚きとも喜びともいえるものが詩人の心を満たしていたのだろうと思います。
 一日の仕事を終えたときに、疲れと共に気持ちが重くなっていることがあります。そんな私の視線を冬の星座たちが天へと向けさせてくれます。冬の帰宅時、星空を仰ぐことが、小さな礼拝となっていることを思います。

(2023年1月)